2021年12月16日13時00分
サンケイビズの昨日のニュースによると、総費用1兆1000億円にも及ぶ宇宙望遠鏡「ジェイムズウェッブ」が22日に打ち上げられるそう。
宇宙開発史上最大級の大きさで、複雑な構造のこの宇宙望遠鏡は、136億年前に宇宙で最初に生まれた星「ファースト・スター」を観測するという目的で開発された。
テニスコートとほぼ同等サイズのサンシールドと呼ばれる日除けの上に望遠鏡が搭載されている。
ロケット最頂部に格納することが出来ないほどの大きさのため、コンパクトに収納された状態で打ち上げられ、宇宙空間で2週間ほどかけて展開される。
質量は6.2トンとハッブル宇宙望遠鏡の56%しかない。
開発はNASA主導のもと、機体の主要部分はノースロップ・グラマン社が製造、アリゾナ大学が観測機器などを提供している。
この宇宙望遠鏡はESA(欧州宇宙機関)が参画しており、大型ロケット「アリアン5」に搭載され、南米大陸のギアナ宇宙センターにて12/22(水)21:20(日本時間)にローンチされる。
計画がスタートしたのは1996年。
当初の予算は5億ドル(544億円)。打ち上げは2007年に予定されていた。
しかし、機体開発の遅延により、コストが大幅に超過し、2005年に計画が大きく見直され、開発から運用終了までの生涯コストは45億ドル(4960億円)と再見積もりされる。
その後もサンシールドの断裂や新型コロナの影響によって計画がさらに遅れ、2021年12月まで後退し、そのコストは97億ドル(1兆971億円)まで膨れ上がった。
このコストは予定ミッション期間の10年の内5年しか含まれていない。
莫大な費用を欧州とカナダがサポートがしており、ESAはアリアン5による打ち上げフェーズを担い、7億ユーロ(約900億円)を拠出、CSA(カナダ宇宙庁)も2億カナダドル(約180億円)を供与。
単体の宇宙機に投じられる予算としてはかつてないほどの規模である。