車輪銀河の姿

By 2022年8月5日NEWS

2022年8月5日 9時24分

NASAと欧州宇宙機関(ESA)は2日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した「車輪銀河」の最新画像を公開した。大量の塵(ちり、固体微粒子)に視界が遮られ、長い間観測が難しかった同銀河のカラフルな回転リング状構造が、かつてないほど鮮明に捉えられた。 

ちょうこくしつ座の方向約5億光年の距離にある車輪銀河は、約4億年前に起きた銀河同士の衝突で形成された。

共同声明で、この衝突によってできた二つのリングは、銀河の中心から「池に石を投げ入れたときに立つ水面のさざ波のように」広がっていると説明した。

 小さい方の白いリングは、銀河中心付近にとどまっている一方、カラフルなスポークの付いた車輪のような外側のリングは、4億4000万年前から宇宙空間へと拡大している。拡大する外側のリングがガスと衝突することにより、新たな星の形成も起きている。

銀河同士が衝突すると、形や構造が変化する場合がある。荷馬車の車輪のようにも見える今回の車輪銀河では、色鮮やかな銀河が内側のより明るい輪を取り囲んでいて、どちらの輪も衝突の起きた中心部から離れて拡大している様子がウェッブの画像からうかがえる。

こうした特徴を踏まえ、科学者はこの車輪銀河を「渦巻き銀河」よりも珍しい「環状銀河」に分類している。

大型渦巻銀河だった当時の特徴の大半は、銀河衝突後も残存している。車輪銀河の名前の由来になった、二つのリングの間に見られる鮮やかな赤い「スポーク」のような筋はこの影響によるものだ。

今回の観測で、車輪銀河がまだ「非常に過渡的な状態」にあることが判明したと、NASAとESAは述べている

 

 

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