2022年8月8日20時24分
ネブラスカ大学リンカーン校と医療テック企業Virtual Incision社が開発した手術支援ロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)でテストされることになりました。また、NASAは同大学に10万ドルの補助金を出しています。
この資金は、宇宙で手術を行う際の支援ロボットをISSでテストするためのの備えとして使われます。
ロボットはMIRA(miniaturized in-vivo robotic assistantの略)という名称で、宇宙での医療処置を行う、非侵襲的な方法として外科医による遠隔操作が可能。MIRAはネブラスカ大学リンカーン校と、同大学のネブラスカ・イノベーション・キャンパスを拠点とする医療テックのスタートアップVirtual Incision社との合同事業になります。
Virtual Incision社のCEO、John Murphy氏は同社のプレスリリースの中で、「Virtual IncisionのMIRAプラットフォームは、地球上のどんな手術室でもRAS(ロボット支援手術)を利用可能にするということを目標に、小型化したロボット支援手術デバイスの力を届けるために設計されました」とコメントしています。「宇宙ステーションでのNASAとの作業で、たとえもっとも遠い場所でもMIRAによって手術を受けられる方法をテストします」とのこと。
MIRAは今すぐに人体での実証実験を行なうわけではありません。代わりに電子レンジほど大きさの箱の中で、模擬生体組織を切ったり針金に沿って輪っかを動かしたりするそう。
今後1年かけて、ソフトウェアを作り、MIRAがISSへの打ち上げに持ち堪えられるよう実験を重ねていく予定。これまでに行なった実験では、引退した宇宙飛行士が900マイル(1448km)離れた場所からMIRAに指示を出して、手術のようなタスクを実行させたこともあります。
NASAが宇宙空間での医療処置を想定して動いているという点は宇宙で命を脅かす事態があった場合において最優先事項となるだろう。